会津酒造取材:若きリーダーが醸す地酒“凛”

会津酒造は南会津で一番古くから日本酒を醸し続け地元の人々に親しまれている酒蔵です。

「一番テンションが上がっている時は、造りの始まる前ですね。
今年はどんな酒を造ろうかと考えている時です」
そう愛嬌のある笑顔で話したのは専務・渡部景大さん、
30歳で経営と造り両方の指揮を執る若きリーダーです。

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酒どころ会津は日本でも有数の激戦区であり、
その環境は蔵人達の技術を育て飲み手の舌をも育て上げるようになりました、
そんな歴史は会津酒造が作り出す地酒の品質を
常に地元の人々に愛される日本酒として保ち続けています。
「ここ(南会津)の人たちは本当、日本酒に厳しいです
少しでも品質が落ちるとすぐにどうしたんだと厳しい声がかかります」
今も古くから培われてきた環境は厳しくも愛情を持って
会津酒造の蔵人たちを育てているようです。

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“会津・凛”は地酒として地元の人々に親しまれてきた
“会津”シリーズを元に開発された日本酒です。
先代が地元産の米と蔵に湧き出る水を元に企画した商品ですが、
杜氏の経験から培われた感覚の中で造られてきた凛に、
数値的な観点から渡部さんが調整を加えることで酒質を高め、
きめ細やかな温度管理のもと、
冬には絞りたて原酒のフレッシュな味わいを、
春・夏には一回火入れの原酒の熟成された味わいを、
秋には十分に熟成されたひやおろしをと、
季節の移り変わりとともにその年のその季節に
最良の状態で飲み手に届けられる美酒となりました。

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長く勤めた杜氏が去ってなお、渡部さんの造り出す会津酒造の酒は、
時折厳しい声をもらえども南会津の人々に地酒として昔と変わることなく呑み親しまれています。