蔵元・末廣酒造取材:伝承山廃純米「末廣」へのこだわり①

末廣酒造から丸峰でご提供しているのは、伝承山廃純米“末廣”
この日本酒は津佐杜氏が“おもしろい”と日々愉しんで醸している日本酒です。

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山廃とは江戸時代に確立された生もと造りから
山卸(米をすり潰す作業)が精米技術の発達により廃止なった造りを指し、
自然界に存在する微生物を利用し
約4週間をかけて酒母(日本酒のもと)を造り出す伝統的な造りです。

酒母を造るため仕込み水・米麹・蒸米がはいったタンクの中には、
最初は米や水や空気中から入り込んだ硝酸還元菌や乳酸菌や
酵母菌などの沢山の微生物が存在しています。
そこから仕込み水の中に存在する硝酸還元菌が
他の微生物を負かしタンクの中を綺麗にしてゆきます、
温度が上昇するにつれ乳酸菌が米の糖分を栄養に増殖してゆき、
野生酵母などは乳酸菌の造り出す酸に負け、
タンクの中は乳酸菌の増殖した酸味の強いヨーグルトの様な状態へとなります、
しかし一定の所で乳酸菌の増殖は止まってしまいます、
そうすると今度は乳酸に強い耐性を持つ酵母が姿を表しはじめ、
米の糖分を元に増殖しアルコールを生み出し、
乳酸菌はそのアルコールに負け酸味と共に消えてゆきます。
こうして酒母は微生物が淘汰しあう過酷な過程を経て完成します。

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最終的に酵母を増殖させて酒母を造り出す為には
時間もかかり温度管理など繊細な作業も多く、
失敗する確立も高い非常に難しい工程となります、
しかし津佐杜氏は必ずしも思い通りにはならないからこそ
“おもしろい”のだと日々微生物の成長と変化を楽しみに醸しています。

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